自転車の法規―適用例

買い物など、ちょっと市街地を走るときに自転車は便利です。自転車で走るときの法規、およびその対策を実例に沿ってもう少し詳しく見てみましょう。

 

無灯火

 

道路交通法第52条は、「車両等は(中略)前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」としています。
違反は5万円以下の罰金です。この条文は自転車でも有効です。しかし、ほとんどのママチャリは買ったときから前照灯がついていますが、一部のスポーツバイクには、「夜は乗らないから」という理由で前照灯がついていないことがあります。これは違反ですが、野放しになっているのが実態でしょう。

 

前照灯がついた自転車でも、夕方の薄暗いときには点灯していないことも多いのです。自分を他の車に認識させ、事故を防ぐには、ライトをつける必要があるのです。

 

また、昼間でもトンネルの中では点灯の必要があります。特に自転車はトンネルの中を走行するときは姿が見えにくく、非常に危険ですから、自分を目立たせなければいけません。

 

法律で決まっているから、というのでなく、事故を未然に防ぐためにも、灯火は積極的に使用しましょう。

 

交差点の右折

 

道路交通法第34条は、「(自転車を含む)軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿って徐行しなければならない」と規定しています。2段階右折とは、まず進行方向の青信号に従って直進し、道路の反対側の左端で一時停止します。そして、次に進行方向右に向きを変えて、対面する信号(元の方向の右側の信号)が青に変わるのを待ってから直進するのです。

 

どのような交差点でもこのようにしなければなりませんが、現実は信号がなく交通量の少ない道路ではこのやり方に従わず、自動車と同様に、小回り右折してしまうことが多いのです。このことに関しても、特に取り締まりはされていないようです。

 

左折レーンがあるときの直進

 

自転車は自動車用の左折レーンがあっても、左端を直進することになっています。左折のときや自転車横断帯がある場合は問題ありませんが、直進の場合に、左折レーンを曲がってきた自動車と接触する可能性があります。自動車には内輪差がありますから、巻き込み事故が起こります。

 

自転車は、左折する自動車に注意しながら道路の左側を直進しなければなりません。交通量の多い交差点ではこれは至難の業です。直進の矢印信号がある場合は大丈夫ですが、青信号だけだと自動車は青信号で左折してきますから、どうしても交差点を渡るのが難しくなります。

 

このような場合は、いったん左折して、歩道または歩行者用信号があるところまで走っていき、そこで歩道を渡り、右に行って元の交差点に戻るのです。こうして左折すればいいことになります。

 

普通自転車の車道走行

 

普通自転車(長さ190p、幅60p以内であり、側車がなく、幼児用座席を除く運転者以外の乗車装置を備えず、ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあり、歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないもの)は、自転車道(自転車専用の道路)が設けられている道路がある場合、そこを通らなければいけません(道路交通法63条の3)。普通自転車は通常は車道を通行するのですが、自転車道がある場合は、車道を通ることが許されていないのです。

 

普通自転車以外の軽車両は、車道を通らねばなりません。つまりママチャリを含む普通自転車と普通自転車以外の自転車では扱いが違うのです。ただ、市販されている自転車は、改造を加えない限り、すべて普通自転車になります。

 

サイクリングロード

 

よく川の両岸の堤防などにサイクリングロードとうたっているものがありますが、ほとんどは自転車歩行者専用道路(道路法第48条の13第2項)なのです。自転車の走行は許されていますが、歩行者優先ですから、歩行者を妨害しないように徐行しなければなりません。チリンチリンと鳴らして歩行者を追い抜いていくのは違反となります。

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