交通違反について

交通違反は、起訴されても、そのほとんどは罰金刑になります。大半は略式手続(刑事訴訟法第461条)で処理されます。略式手続の場合、被疑者は異議を申し立てることを許されません。そのため、異議がない旨の書面を提出する必要があります。

 

罰金は速やかに納付しないと、1日何円という割合で刑務所で労役が命じられます。また、罰金には執行猶予は付きません。

 

一定の行為については、裁判とは別途の方法で簡易、迅速に処理するため、交通反則通告制度が設けられています。これは昭和42年8月1日の道路交通法の一部改正で、昭和43年7月1日から施行されました。反則金は、前科となる罰金や科料扱いにせず、行政上の秩序罰としたのです。したがって、反則金を納めさえすれば、前科はつかないのです。

 

この制度は自動車の数が増加し、違反事件の数も飛躍的に増大したため、軽微な交通違反者のすべてに対して刑事訴訟法に基づく刑事手続をすることは現実的でない、と判断されて制定されたのでした。

 

この制度によると、交通違反者に取締警察官が現場で反則金学習を記載した交通反則切符(いわゆるチケット)を渡し、違反者が通告を受けた日の翌日から10日以内に反則金を指定の場所に納付することによって完了します(道路交通法第128条)。

 

交通反則切符は、交通反則事件を処理するために使用される書式で、青い紙に書式が印刷されているため、「青切符」といわれます。

 

歩行者や自転車を含む軽車両の違反行為は、交通反則通告制度の対象外です。

 

もし起訴すべきものと認めたときは、略式手続により処理されます。「無免許運転、大型自動車等無資格運転、酒酔い運転、麻薬等運転、酒気帯び運転に該当する場合、または反則行為をし、よって交通事故を起こした者は、反則行為および交通反則通告制度の対象外となり、同制度上の通告を受ける事はない」とされています。この場合、その場で現行犯逮捕され、裁判にかけられます。

 

道路交通法第67条(危険運転の措置)には、「警察官は、自動車の運転者が無免許運転、酒気帯び運転、過労運転等をしていると認めるときには、その自動車を停止させ、運転者に対し、運転免許証の提示や酒気帯びの検査を求めることができる」と書かれています。運転者は、この警察官の求めを拒否することができません。呼気検査を拒むと3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(同法118条の2)。

 

道路交通法第65条には、「何人も酒気を帯びて車両などを運転してはならない」と規定しており、同法117条の2では、具体的な酒気帯び運転者の呼気中アルコール濃度を規定しています。以前は、酒気帯び運転単独では処罰されず、スピード違反や信号無視などの違反と複合した場合にだけ、罰則が定められていましたが、平成21年6月1日以降は前記通りになりました。同法117条の2に規定がある酒酔い運転は、アルコール濃度に関係なく、「正常な運転ができない状態」とされています。

 

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