自動車保険に関して

自動車は移動手段として非常に便利ですから、現在自動車なしの生活は考えられません。その一方、負の面としての交通事故は避けられません。交通事故によって被る生活の支障に対する保障として、自動車保険が存在するわけです。

 

自動車保険には次のような種類があります。

 

(1)自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)

 

自賠責保険は、自動車および原動機付自転車の保持者に加入が強制される保険です。自動車は自賠責保険を付けていない
と、運行してはいけないことになっています。(自賠法第5条)

 

自賠責保険は、1955年(昭和30年)の自動車損害賠償保障法が施行されたときにできた対人保険制度で、目的は自動車事故の被害者の救済です。死傷者のいない、物損事故には支払われません。

 

自賠責保険の特長は、次の通りです。

 

  1. 保険契約が強制されている。
  2. 悪意の事故だけが免責される。
  3. 被害者にも直接請求権がある。
  4. 仮払い金制度がある。
  5. 被害者の請求権を差し押さえることは禁止。

 

自賠責保険の支払いは、国土交通大臣および金融庁長官が定めた支払い基準に基づいて行われます(自賠法16条の3)。
保険金額は、死亡・後遺症障害は3,000万円が限度、普通の障害は120万円が限度となっています。

 

ひき逃げ事故など、加害者が特定されないときは、政府が代わって被害者に損害賠償金を支払います。のちに加害者が見つかったときは、加害者に立て替え金が請求されます。

 

自賠責保険に加入しないで自動車や原動機付自転車を運行させた場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。また交通反則通告制度により6点が加算されます。

 

(2)任意自動車保険

 

任意自動車保険には、次のような種類があります。注意点としては、これらの保険には通常特約が付いていて、特約条項に違反した事故には、保険金が支払われないことです。したがって、莫大な額を自己負担しなければならなくなりますので、保険契約は注意深くすることが大切です。特約には、運転者の家族が起こした事故は保険金が支払われないものや、代車の費用や弁護士費用を支払ってくれるものなどがあります。

 

  1. 対人賠償責任保険
  2. 対物賠償責任保険
  3. 車両保険
  4. 搭乗者傷害保険
  5. 人身傷害補償保険
  6. 無保険車傷害保険

 

(3)自転車保険

 

自転車に関する法規制が厳しくなりました。自転車に乗っていて事故にあった場合、保険をかけていないと、場合によっては高額な賠償金が請求されることがあります。特に子供や若者などがその対象となる場合が増えています。事故の加害者となったときのためにも、これからは自転車保険が必須です。自転車保険は、個人賠償責任保険と傷害保険の2種類の保険のセットです。

 

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